瀉血と鍼灸

 つー訳で、今日は西洋医学的な「瀉血」についてと東洋医学的な「刺絡」の違いについて説明したいと思います。血ィ出すのは一緒だけどな。

☆「瀉血

 瀉血と刺絡はまー何が根本的に違うかっつーと、ぶっちゃけ瀉血=西洋医学因』『刺絡=東洋医学因』と言うのが判りやすい図式ですな。瀉血は所謂悪い血を出す事が目的とされており、昔は散髪屋で血ィ出してたそーです。なんで散髪屋かっちゅーと、その時代には手術系失敗した医者にはイヤンなペナルティが課せられており、それを回避する為に散髪屋に代理でやらせてたそーなんですけどスゲェな昔の医者。今でも散髪屋のサインポール(赤と青のクルクル回る奴な)にその名残が見て取れるッス。

 この時の方法はっつーと、患部近くの血管を剃刀でズババーンっつぅ方法で消毒概念も少ない時代ですし、感染症や血液不足から来る体力低下で死ぬ患者も少なくなかったとか。今はまぁ医者で瀉血使う奴ァ少ないですが、探せばそこそこ居るようです。昔と違って注射器で血ィ抜くみたいだけど。

☆「刺絡」

 で、刺絡はどーいうもんかと言いますと、まぁこっちは一応3種類くらいに分類されます。これは「井穴刺絡」「皮膚刺絡」「細絡刺絡」と言われ、

「井穴刺絡」
指の先のほうにある五兪穴の一つ「井穴(せいけつ)」に三稜鍼にて軽く刺鍼し、そこから血を出して治療する。結構急性疾患にも効くから便利。
「皮膚刺絡」
皮膚に5〜6箇所くらい三稜鍼にて刺鍼し、そこに吸い玉くっつけて血ィ出す。結構血ィ出る事あるけど、まぁ、瀉血程じゃない。
「細絡刺絡」
細絡を1〜2㍉切開して吸い玉あてるらしいが俺ァやったこと無いんで詳細はちと不明。話によると結構血ィ出るらしい。


 まぁ概ね瀉血と違うのは、瀉血が血なのに対して刺絡は経絡経穴を意識すると言った部分でしょか。気血津液なんかもめっさ意識しますし、井穴刺絡なんざ井穴の選別は患部を走行する経絡で決まったりするんでまぁ別系統っつーたら別系統なんでしょ。血も殆ど出らんしな。


 こーいうのがまぁ「瀉血」と「刺絡」の違いと言う事になります。今回逮捕されたおっちゃんは注射器で大量に血ィ抜いてた(瀉血らしいですし、保健所からの再三の注意もブッチして、更にオラオラ状態で診断書まで出してた(診断書は医師しか出せません)みたいなんで、それが逮捕の決め手になったっぽいです。だからまー刺絡じゃなくて瀉血と取られたんでしょうなぁ・・・


 と、いう訳で久しぶりの東洋医学でした。質問どしどしお送りください。